今回は、
実験的に書き方を変えてみようと思います。
いつもは大学のレポートのように、びっしりと文字を敷き詰めていましたが、
もしや読者の皆さんにとっては重たいのではと思い、趣向を変えてみようと思います。
もちろん、解剖も今後も続けていきます。
最後までお楽しみいただけると幸いです。
1あらすじ
時は大正時代。病弱だが男勝りの女性記者である荒波苑子(あらなみそのこ)は、身の上相談
欄という記事を担当していましたが、そこに奇妙な投書が届きました。
私は溺れております
青い家の中で朽ちていきます
いずれ
私は
投書は2通、3通と続き、ただ事ではないことを察した「苑子」は、その調査に乗り出します。
そして手紙の主である、丹邨製薬の社長令息に接触すべく、苑子は丹邨家に絵の教師として、「化け込み」(潜入捜査)を開始します。
そして苑子は、若さを保ち続けている社長夫人、社長のもう一人の子どもである礼以、威圧感のある秘書の白潟(しらかた)といった個性的な面々と過ごすうちに、やがて丹邨の、製薬会社の秘密に迫っていくのです。
2良かった点
※※ここからネタバレ注意※※
まずは化け込みの緊張感でしょう。「礼以」が本性を表してからは、ステルスゲームやホラーゲームで悪霊から逃げ回るような緊張感があります。
彼女に見つからぬように「苑子」は真実を探っていくのですが、「え!?そんなことして大丈夫なの?」と思う描写がいくつか登場します。
その中でも、私が個人的に印象に残っている場面は、「苑子」が薬を渡すシーンです。苑子は持病の咳に依然から悩まされていたのですが、「礼以」にある薬を渡されます。
しかし、この薬を一度飲んだら最後、効果は覿面に表れるものの、時間が経つと依然より比べ物にならない苦痛に襲われてしまいます。
そして「苑子」は、その薬をなんと飲んだふりをして、外部の機関へ分析に回してしまうのです。
当然薬を飲んでないことは翌日「礼以」にバレてしまう訳ですが、残虐な彼女が「苑子」をどのように扱うのか、目が離せませんでした。
3少し気になった点
細かい点を述べるのであれば、これはXにも書き込みましたが、女性の、「わて」という関西弁が気になりました。
私が関西に住んでいるからなのかもしれませんが、どうにも馴染みませんでした。
そして後半の展開については、ある程度の安心感を持って読めてしまいました。
単身で乗り込んでいた「苑子」がどうなったのか、さらりと述べるのではなく、匂わせるような趣向があれば、その後の展開の緊張感は維持できたのかなと思いました。
というのも、後半は主人公が交代し、その人物が事件の真相を暴くといった構図になっています。
更に後半は複数人での行動が目立ち、これが読者に安心感を持たせる要因になってしまっていたのではと思います。
4総評
前半の緊張感が後半にもあればいいのに、と思いました。主人公を複数立てるのは悪くありませんが、複数人での行動は、主人公サイドに分があり過ぎるような印象があります。
とは言え、作品全体としては、カタルシスを得られる構図にはなっているので、読後感は悪いものではありません。

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